朔日会
 
 

朔日会だより Vol.2
大好きな長野県と福島県に寄せて〜〜理想と継続〜〜
朔日会代表 羽藤朔郎

今年も第84回朔日会展を無事に終了しました。
世の中では今年も色々な良いことも悪いこともありましたが、どんどん時間だけは流れて行きます。
早速、来年に向けて絵を描いています。
10月は、長野市で福島に続いて朔日会巡回展がありました。天気も良く別に写生会もおこないました。
長野市を流れる裾花川から遠くに見える戸隠山を描きました。
夜は養老乃瀧で楽しく飲みました。
私事ですが50年ぶりに初めて小学校の同級生と会い酒をくみかわしました。それも長野市で会い、懐かしくうれしかったです。

第85回展は、自分としては63歳となり、あっと言う間に時が過ぎてしまいます。何が何でも自分は朔日会の100回展を見届けたいと思います。その時は、79才であると考えると生きていたいし、頑張らなければと思います。
それでも人の一生は思いとは別に何が有るか分かりません。ですからラスト・ランのスタートというところです。
このところ、朔日会の輪を広げる為に特に長野県と福島県に行く事も多く、自分も一人の絵描きであり自分に合った土地柄で絵を描き続けるのは、とても幸せな事です。
また絵も教えていますが、教えるのはとてもエネルギーがいります。それでも「 甘すぎる、もっと働け」と言う人もいます。
朔日会を続けて行くのに原動力としての役割もあると思っています。ただ朔日会は、このところ確実に良くなってきているので、色々な思いがあると思いますがあと一息、会の皆様とサポーターのお力もお願いいたします。
頑張ります!


 

朔日会だより Vol.1
温かい村民に励まされて雪残る戸隠山を描く
朔日会代表 羽藤朔郎
 「今日も頑張っているね、向こうの畑の方でもよく絵を描く人がいるよ」
  そう話しかけてきたのは、村で畑仕事をしている老人。長野市の北方にある戸隠が大好きな僕は毎年、戸隠から鬼無里に向かう街道でキャンパスを構えます。早春の戸隠の山は、僕の心にとてつもなく美しく焼きつきます。それにしても長野の人々はどうしてこうも優しいのか。今年もまだ雪が残る3月18日から1週間。寒い外気の中でも心は温かくなります。
  実は今年は最初の4日間は風が強く、絵を描くのも一苦労。それで5日目。やっと風もなく楽に楽しく描けるようになりましたが、朝方は曇っていて山が見えず何度かホテルに戻ろうかと思いました。
  そんな時に先の老人が話しかけてきたのです。このほかにも長野の人々はみなさん、優しい言葉を掛けてくれます。5日目のこの日は山も見えず、今一、気が乗らない僕は、畑の先に歩いていくと白馬連山が畑の向こうに見えました。そうこうしていると、戸隠の山がハッキリと見えてきました。僕は急いで元の場所に戻って再度、描き始めました。
  さっきまでの苦しさが嘘のように晴れて最高の気分で描けました。絵を描くのは、いつも楽しく描ける訳でなく気分の悪い時や、のりの悪い時があります。楽しく描ける時まで我慢する事が、本当の絵の喜びだと久しぶりに感じました。長野の山々を見て絵を描ける喜びは、僕にしか味わえないものかもとさえ感じました。
  そうそう、夜は親しい岡村さんと長野市街に繰り出してお酒を飲んだり、温泉に行ったりしたのも楽しかった。長野の山々と共に、僕はますます長野が大好きになってしまいました。